2009年04月27日

「射的ダメ!」秋田県警(2)

 縁日の「射的」が射幸心をあおる恐れのある遊技として、パチンコやマージャンとともに風俗営業に分類されているから、公園内での営業許可は出せないというのが秋田県警の判断です。

 公園内がダメというのは、都市計画法の用途地域による用途の制限(用途制限)に関する規制で、主に建築基準法令の規定によるものです。したがって、縁日の期間中小さな、仮設のテント内で行う射的スペースと直接結びつけることには無理があります。

 それに、縁日の射的をやるためにサラ金に走る人はまずいません。射的で難しい的に当てたからといって、何万円、何十万円の景品がゲットできるはずもありません。子供がゲームセンターのクレーンでぬいぐるみをゲットする感覚とそう大差はないでしょう。

 ところが、パチンコは違います。パチンコにはまって、家族に内緒でサラ金に走り、不幸な結末を迎える話は珍しくありません。

 縁日の公園での射的が違法だから営業許可を出さないという警察が、なぜパチンコは見逃すのか、おかしな話です。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年七月十日法律第百二十二号)

第23条(遊技場営業者の禁止行為)

・現金又は有価証券を賞品として提供すること。
・客に提供した賞品を買い取ること。
・遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
・遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。


 これを読むと、「客に提供した賞品を買い取ること」、「遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること」は違法です。

 だから、パチンコ店では「三店方式」という方法で客がゲットした景品を換金しています。

三店方式 (パチンコ用語辞典)ホールが客の出玉を直接換金することは違法行為になる。(風営法第23条)
ホールと客の間に景品交換所を入れて、換金を合法的に行う仕組みを三店方式という。
まず、ホールは客の出玉を特殊景品(コイン入りのカードが主流)と交換する。客は特殊景品を景品交換所に持っていき現金と交換する。
そして、景品問屋が景品交換所から特殊景品を買い取り、パチンコ店に卸すという仕組みになっている。(完全に合法的とは言えないが、世の中にグレーゾーンはつきもの。)

 それで、景品交換所は個人客から景品を買い取るわけですから、「古物営業法」の許可が必要です。

古物営業法

第3章 古物商及び古物市場主の遵守事項等

(確認等及び申告)

第15条 古物商は、古物を買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、相手方の真偽を確認するため、次の各号のいずれかに掲げる措置をとらなければならない。

1.相手方の住所、氏名、職業及び年齢を確認すること。
2.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢が記載された文書(その者の署名のあるものに限る。)の交付を受けること。
3.相手方からその住所、氏名、職業及び年齢の電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。以下同じ。)による記録であって、これらの情報についてその者による電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第1項に規定する電子署名をいい、当該電子署名について同法第4条第1項又は第15条第1項の認定を受けた者により同法第2条第2項に規定する証明がされるものに限る。)が行われているものの提供を受けること。
4.前3号に掲げるもののほか、これらに準ずる措置として国家公安委員会規則で定めるもの。

(帳簿等への記載等)

第16条 古物商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、古物を受け取り、又は引き渡したときは、その都度、次に掲げる事項を、帳簿若しくは国家公安委員会規則で定めるこれに準ずる書類(以下「帳簿等」という。)に記載をし、又は電磁的方法により記録をしておかなければならない。
1.取引の年月日
2.古物の品目及び数量
3.古物の特徴
4.相手方(国家公安委員会規則で定める古物を引き渡した相手方を除く。)の住所、氏名、職業及び年齢


 ところで、私の友人にもパチンコをやる人は多いのですが、誰に聞いてもパチンコの景品を交換所に持ち込んで、住所、氏名、職業及び年齢を記載した文書(その者の署名のあるものに限る。)を交換所に提出したことは一度もないということでした。無論、私もそうした経験は皆無ですから、交換所に帳簿などあるはずがないのです。

 宅地建物取引業法の許可を得た業者が、仲介した顧客の名前や物件、価格などを記した帳簿を保存していなかったら、間違いなくペナルティがあります。おそらく、法令に基づいた許可を得て行う業態のものなら全て同様でしょう。
 なぜ、パチンコだけこんな不法がまかり通るのでしょうか・・・といっても、私はパチンコ業界を厳しく取り調べろ!などというつもりはありません。(パチンコに行くたびに免許証を提示して、住所・氏名・年齢などを書かないと景品を換金してくれなくなると困りますからね。)


 私がいいたいのは、たかが縁日の一時的な露店商が、去年まで営業していて何の問題もなかったものを、頭のよくない警察官がバカなことをして、どれだけの人に迷惑をかけているかを考えるべきだ、ということです。

 こうした行き過ぎた「パターナリズム」が、縁日を楽しみにしていた子供の楽しみを奪い、露天商がささやかな利益を失い、警察とパチンコ業界との癒着をつつかれ、警察官僚の天下り先を狭めていくのが理解できないのでしょうか。
 そうそう、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」で規制をかければ、露店の射的を子供にさせたら違法行為になります。ゲームセンター以外の風俗営業の営業者には、18歳未満の者を客として立ち入らせてはならない義務が課せられているからです。


 そういえば、茶色の葉っぱマークを着けろとか、シートベルトをしろとか、運転中の携帯電話と違って他人に迷惑をかけることのないことまでお節介を焼くのも止めてほしいものです。もっと大人の国になりたいですね。


この記事へのトラックバックURL

http://kiyo2.shimanavi.net/t3083
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません