2009年02月18日

公共交通機関

 平成19年10月1日から、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」というのが施行されています。この法律は、昭和26年にできた「道路運送法」が人の運送手段をバス・タクシー事業だけを対象にしているため、今の地方の公共交通システムは維持できないということから新たに制定されたものです。

 実際に、バス会社の80%が赤字を計上し、その額は1,000億円を超えています。なにしろ、旅客の数がピーク時の10%まで落ち込んでいる路線もあるくらいですから、動けば動くほど赤字になるのは当然です。
 タクシー事業も同様で、昭和45年度の42億8,800万人をピークに減少を続け、今や年間乗客数は25億人を切っている状況となっています。

 しかし、バス以外の移動手段のない交通弱者といわれる人々のために、バス会社は利用者が少なくても生活路線を廃止することはできないのが実情です。このため、自治体はバス会社に多額の補助金を交付するか、自らがバスを走らせて生活路線を維持しなければならない状況となっています。

 財政状況が悪化している多くの自治体にとって、この負担は決して小さなものではありません。多くの自治体が、路線の廃止や補助金の削減をどのように行なうかに頭を悩ましています。もちろん、益田市も例外ではありません。

 この悩みの原因の多くは、前述の今から57年も前にできた、バス・タクシー事業だけを対象とした道路運送法の規制です。今まで、若干の見直しは行われてはいるものの、実態に即したものでないことはいうまでもありません。その原因の筆頭は、なんといっても自家用車(マイカー)の急激な普及でしょう。

 公共交通手段が少ない地域では、一世帯に一台以上どころか、場合によっては成人家族の数だけ自家用車を保有しているというのも珍しくはありません。こうしたマイカー依存型のシステムが公共交通システムの衰退を招き、更なるマイカー依存のライフスタイルに拍車をかけるという負のモータリゼーション・スパイラルを引きおこしています。

 しかし、雇用環境の著しく劣った益田市では、急速な高齢社会となりつつあり、家族の助けを借りて移動することが難しくなってきています。また、視力や反射神経などの低下により、自動車の運転ができなくなる高齢者も増え、運転免許証の返納も年々増加傾向にあります。これから団塊の世代の高齢化とともに、その傾向はますます強くなっていくでしょう。

 益田市も、これまでまったく無策であったわけではなく、平成14年に「生活バス」を発足させています。当初は、約2,500万円の経費で、21,260人の利用がありました。しかし、平成18年あたりから運行形態が変わり、全体のコストは下がりましたが、利用者は大幅に減少しています。また、同時期に乗り合いタクシーも導入されましたが、この利用者を加えても、最近では12,756人に利用者は落ち込んでいます。

 平成16年度利用者数  21,260人   
           コスト  25,187,088円

 平成20年度利用者数  12,756人(バス利用者 11,580人  乗合タクシー1,176人)
           コスト  18,898,000円(バス15,257,550円  乗合タクシー3,641,250円)

 これを見ると、16年度のバス利用者一人当たりのコストは1,185円。20年度は、バス利用者一人当たりのコストが1,318円、乗合タクシーは3,096円ですから、費用対便益は下がっています。つまり、お金がかかる割に利用者にとっては不便なシステムということができます。

 また、生活バスの維持管理費とは別に、「過疎バス」対策として、バス会社には毎年多額の赤字補てんのための交付金が支出されています。財政状況の厳しい益田市にとっては年々重い負担となってきています。

 こうした、費用対便益効果の少ない地域公共交通のシステムの見直しを行うため、バス会社やタクシー会社などと連携して効果的な対策を検討していくことが必要な時期に来ています。

 そのために、従来の道路運送法・鉄道事業法といった縦割り型の法制度を包括し、地域公共交通を活性化・再生するための新しい枠組みが必要であるという認識が高まり、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」ができたのです。

 それで、この法律は、地方自治体が、「地域公共交通総合連携計画」(法定計画)を立案して国に申請し、国が認定すれば、総合的な事業補助を受けられる、という結構な法律なんですね。

 しかも、地域公共交通総合連携計画のための調査費、策定費用は国が全額みてくれる、というさらに結構な法律なんですが・・・これも、以前から「おやりになればぁ・・・」といっているのにしませんねぇ・・・このまま、何も考えることもせず、何も動くこともせず、高いコストで不便なシステムを温存するんでしょうか。

 ところで、平成19年度の生活バスは10路線、28便です。それで、一日当たりの利用者の平均で、一人を切っている路線が8路線・13便あります。平成16年度で一人を切っているのは、1路線・2便ですから、このまま見直さないわけにはいかないでしょうね。

 ・・・・・安心して年もとれません^^;
  


この記事へのトラックバックURL

http://kiyo2.shimanavi.net/t1622
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません